これで連載小説は完結です。
約3ヶ月半…お付き合いくださった方、ありがとうございました。
ラストの河井と竜児の述懐は、そのまま自分の「リンかけ」への思いとオーバーラップしています。
特に、最後の一行。
(たぶん一生に一度しか使えない手法ですが。物語ラストのシメ方として/笑)
心残りは、「なるべく原作で描かれた場面は使わない」という制約のおかげで、竜児の活躍をほとんど書けなかったこと…ですね。
そのぶん、この最終章でできるだけスポットをあててみたつもりです…が。
原作で、あれほど過酷な戦いをしつつ、ひたすら石段を駆け上がっていった彼だからこそ、この述懐と涙があるんだ、と受け取っていただければ幸いです。
…とか。ホントは小説(物語)に筆者自身が解説入れるの邪道だと思うんスけど、もひとつだけ。(苦笑)
「もし、竜児が河井の立場だったら?」
父ちゃんと母ちゃんの子じゃないと言われて、姉ちゃんに絶縁されて、日本Jr.のみんなを敵に回して…それでも戦えるか?
これは否、だと思います。こうなれば竜児には戦う理由がない。なにもないんです。
逆説的ですが、それが竜児の「主人公たるゆえん」であり…そして「ほんとうの強さ」の源でもあるのではないでしょうか?
では、河井はどうなのか?
これは原作から離れた、私個人の思い込み(幻想)も入ってるかと思いますが。
阿修羅編の転身にとどまらず…独りで海外へ渡り、いまだ独身でいることなどを考えるに。
河井は、ある意味とても「強い男」ではないか。そんな気がします。
おそらく、人あたりは柔らかで物腰はスマートだけれど、決して自分の信念は曲げないタイプでしょう(笑)
孤独に強く(←おそらく剣崎よりも)、自分の世界を強固に持っている。
そして…その矜持ゆえに、強く自己抑制ができる男ではないか、と。
かっこいいです。
ちょっとでいいから爪の垢でも分けてほしいところッス!!
けど。それでも、あえて。
ほんとうに強い男とは…
「阿修羅編」で河井と闘う決意をしたにもかかわらず、殴れなかった竜児。
ドイツJr.大会決勝後、ボクシングをやめる気でいた麟童。
彼らのような「熱い」男のことをいうのではないか。
そして、こういういつも精一杯燃えている熱いやつらが主人公である、物語だからこそ。
オイラはこれからも車田漫画のファンでいるんだろうな、と思います。
ありがとう!
|