私的シックス考〜ハッカーズ・プレイ日記


13.私的リーダー考(スプーキーズ解散)



スプーキーズ解散から、天海モノリスにかけて。
前にコピーで出した小説でもオイラ的解釈をやってます。そっちはシックスの一人称で書いちゃったんで、ちょっと無理な所もあって恥ずかしいんスけど。

いまだに、モノリスは…ね。
痛すぎて、触れたくない気持ちも残ってます。
でも、自分的に桜井さんという人を語る上で、ここは外せないと思うので、あえて。

あくまで、個人的見解ですんで。



短気…というより、熱いヤツなんだと思う。シックスも、ランチも。
ここまで共に戦ってくる中で、無条件にリーダーを信頼しきっていた所があって。

あえて痛い事を言っちゃうと。
リーダーにも、後ろめたい所があったのでは…。
前に書いた「スプーキーズの活動目的」ですかね。
スプーキーズを、単なる「腕利きハッカー集団」にしたくなかった…そういう「甘さ」自分で認めたくない、という気持ち。
それを認めるのは、門倉に対する暗い感情を認めることにつながるから。

真悟も、潤之介も、若いから潔癖な所があって。
大人のごまかし」の匂いを敏感に嗅ぎとってしまったからこそ…あんな罠に簡単にハマっちゃったのではないか、と。

いちばん気の毒なのは、桜井さんなんだけど…。

『こうなることを恐れたんだ』
…つまり、俺達を信用してなかったってこと?
アルゴンで働いてた――そんなことくらいで、俺達がリーダーを疑うとでも思ってたわけ?

…そう言われても、仕方がないよ。



だって、スプーキーズって――
単なる「腕利きハッカーの利益共同体」というだけでは片付けられない場所で。
そう作ったのは、他ならぬ桜井さん自身で。

だから俺(主人公)は、仲間として信頼する以上に、あんたを好きだったし、あんたの作ったここが居心地のいい場所だったんだよ。

プライベートな事情には、立ち入らない。
俺達みんな、何かしら「傷」を背負って生きてるから…
…そういうふうに付き合ってきたよな。
それが、仲間内の礼儀だったわけで。

でも、アルゴンに勤めてたことは、最低限言っとくべきだった。
共に戦っていく上で、必要なことだから。
それが、あんたの「傷」に関わるかどうかなんて、俺達には立ち入る必要のないことで―― あんたは、そのことを混同しちゃいけなかった。
けど…あんたは、その「傷」に触れられることを闇雲に恐れてたんだ。
「傷」そのものに、目をつぶろうとしてた。
仲間を拒絶してまでも。

…それだけ、あんたの「傷」は、深かったんだな…。



『こうなることを恐れたんだ』。
…つい、本音が出ちゃったんだろうな。
この局面で、何を言っても言い訳にしか聞こえないんだけど――だから、妙にもっともらしい言い訳をするより、はるかに誠実な言葉ではあるんだけど。
「裏切られた」と感じたのは、多分、あいつら二人も同じで。
だから、殴ってでも引き止めることは、できなかった

けど、あんたはずっと、嘘はつかなかった。
都合のいい言い訳も、開き直りもせずあんた自身の言葉で、事情を説明しようとしてた。
少なくとも、俺にはそう見えたよ。
だから、あんたを信じる。

――俺の知ってるままの、リーダーを。

(続く)



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