イタリア編、ついに決着!



前置き。


イタリア編決着記念(?)ということで、ひさびさのフリートークです。
SJ感想⇒語りの続きが、⇒フリートークになってます。

個人的な感じ方で、おもいっきり余談になりますが。
count86の語りで、
「いささかワイルド過ぎるガキのケンカは「リンかけ」の真骨頂。…ではないか?」
と書きました。
この辺りをここでちょっと考えてみたいと思います。

あと、ネロ坊について、ちょっとひっかかった事とか。

あ、前もって言っときますが。
オイラ頭わるいんで、こういう語りは大の苦手です。
あっちこっちに話が飛ぶ上に、かなり悪文だったり言葉の使い方が不正確だったりしますんで、それでも読んでやろうという奇特な方は「バカだな〜」と大目に見て笑ってやってくださると助かります〜。


「ガキのケンカ」のセオリー。


「ガキのケンカ」を甘く見てはいけません。
「ガキ」だけに、すぐ熱くなっちまいますから…
わるくすれば、本当に危険な状態の一歩手前までいくこともある。
しかし。
「ケンカ」である限り、暗黙のうちに「禁じ手(やってはいけない事)」は存在する。
それを体を張って学んでいくのが「ガキのケンカ」…ではないでしょうか?

最低限、相手に(肉体的にも、精神的にも)致命傷を与えてはいけない。
あと、卑怯なことをするのは、恥ずかしいことだ。

…ここんとこがわかってない暴力は、すでにケンカじゃない気がします。
大勢で一人をいじめたり、相手に大怪我を負わせたり…
そういう新聞記事を見るたび、ひょっとして最近はケンカのやりかたも知らない子供が増えてるんじゃないかな…と思います。
無論これは、「怒るべきときに怒れない」「言うべき時に、言うべきことを言えない」大人にも大いに責任あると思いますが。
そういう大人社会を見て子供は育ちますから…。
ええ、オイラ自身、そんな大人の一人として反省してます…。(^^;)


特にリンかけが好きなのは…。


話が思いっきりずれました。
「ガキのケンカ」について、でしたね。
実は、オイラが車田漫画の中でも特に「リンかけ」(や「男坂」も…かな)が好きなのは、このあたりでして。
無論、主人公が「戦士」としての宿命を背負い、命を賭して戦う「星矢」や「風魔の小次郎」も、好きではありますが…
うう〜ん、なんだろ。

やはり、主人公が「敵と戦わねばならない=殺しあわねばならない、という宿命に生きている」
という、使命感を帯びたストイシズムが流れる特殊な世界より、
主人公が「普通の倫理観」を持つ世界の住人…つまり、人命は尊ばれるべきだ、というヒューマニズムが前提になっている世界で展開するドラマの方が、安心して楽しめるというんでしょうかね。

(ここで便宜上「倫理観」とか「ヒューマニズム」という単語を使いましたが、厳密な言葉の意味にこだわってほしくないです(汗)。 親しい人に傷ついてほしくない、とか、そういう「あたりまえの人間らしい感情」くらいの意味で使ってますんで。)

ええ…もちろん前者の、ある種ファンタジックなロマンも魅力的なんですが。
ちなみに「B'T X」の場合、敵方の機械皇国の戦士は前者、主人公サイドの鉄兵・鋼太郎は後者の立場にあって、この点でもオイラにとっては感情移入しやすく、しかもバランスのとれた、好きな話でした。

さらに言えば「リンかけ」の場合
(あくまで)基本的に、ファイトは「ケンカ」ではなく「スポーツ」(一応ね…)なので、さらに平和的(!)。
争いを好まないオイラは、どちらかというと男坂よりこっちのが好きだったりします〜。(笑)


前にもどこかで語りましたが、車田漫画の魅力のひとつとして。

何よりも、命が大切な、人間らしさの溢れる世界観であるからこそ…
「命を賭しても闘いに臨む、熱い生きざま」が、より輝きを放つのではないか?

…と、オイラの個人的な感じ方として、ここでもう一度言っておきたいと思います。(^^)

たとえ、宿命や大義に命を賭けねばならぬ少年戦士であっても、その中で人間らしく精一杯生きているあたりが魅力的ですね。


結局ガキのケンカだった!?


話を強引にリンかけ2に戻します。(^^;)

さっき、車田漫画の作中世界を
便宜上「戦いに生きねばならない、特殊な世界」と「普通の倫理観が有効な世界」に、分けてみましたが。

今回のイタリア編では、マフィア組織という特殊な環境のなかで育ったジュリアーノ一家の少年達が前者に近く、
主人公の麟童はもちろん後者、という事になります。
こいつらが、それぞれのセオリーに従って「ガキのケンカ」をおっぱじめちゃったんスね〜。
当然、不利なのは「Jr.マフィアの少年から見れば”甘い”世界」に生きている麟童の方です。

もちろん、そこは偉大なストーリーテラー車田先生のことですから…
親が出てきてケジメをつける決闘をやりかけたり、一菜をめぐるロマンスもあり、乱入した「カタギ」のはずのネロが、意外にもマフィア以上の冷酷さを見せたり…
紆余曲折、様々な見せ場があったわけですが。

一菜を助けた麟童が、ネロの命を救うために海に飛び込んだくだりとか。
助けた途端、いい友達になっちゃったあたりとか。

このイタリア編終章を読んで、ストンと腑に落ちたんですね。
う〜ん、ガキのケンカだったか、と。(笑)
もちろん、いい意味ですよ。
このあたり、主人公の麟童が、無理なく(笑)魅力的で、とてもよかったです。
「違う世界に生きている」少年たちが、結果的に”友”としての絆を深めたりするあたりも、いいですね〜。
いろいろあったけど、これでオッケー!!みたいな感じですかね。

「一菜が無事とわかったら、ネロも死なすわけにはいかねえ」
というくだりを「人道的に、それってどうよ、麟童?」と思う向きも結構あるかもしれませんが。
うう〜ん、どうなんでしょう。
(魂ですが)連れ去られて、危険にさらされている知人(しかも彼女!)の無事がわからないうちから、
「何があろうと人殺しはしたくねえ」と叫んで、当の事態の原因である犯人のネロ救いに飛び込む麟童!!
…見たいですか?(爆)
オイラはそんな聖人的に「良い子」の麟童は、全然見たくないッス〜。(T T)


義理がたいイタリア人。


あと、イタリア編読んでて気付いたんですが
ジュリアーノ家の人達って、とっても義理固いですね。
石松の男っぷりに感銘を受けて、わざわざ敵に忠告に来たディノ。
救けられて、麟童の舎弟(笑)になったブルータス。
命を救われて、あっさりAmico(友)になってしまった、ネロ。

非情な環境で生きてきたからこそ、麟童の温かい情に触れて心が動いた、という読み方もできるでしょうし。
あるいは、父ちゃんが「コウハ」を知ってるほど義侠心あつい西洋ヤクザだったから、とか。
いや、単にこれが彼らにとっても普通の礼儀でしょう、と取るか…まあ、そこは読者の任意でしょう。
ヤクザ者なりに、なかなか魅力的な人達でしたね〜彼らも。

しかるに。
ええ、ここんとこ…どうしたもんでしょうかね。
スコ・ヘルに手当てしてもらって礼も言わない某スーパースターの息子(笑)とか
同じく、命を救ってもらった従兄弟に「ブチ殺すぞ」と叫んだ、某総帥の息子
イタリアンな爪の垢でも煎じて呑ませてやってほしいものです。
まったく、近頃の日本人の若者ときたら!!(笑)


ネロについて、ちょっとだけ。


もしかすると、(ことに若い)男性読者はスルーしてしまいがちな点かもしれないですが。
これだけは、ちょっと引っ掛かったんで、ひとこと。

ネロ⇒一菜⇔麟童、の三角関係について、ですね。

一菜もねー。
ネロによろめいて、思わせぶりな態度を取ったりしてるもんですから
全面的に弁護しずらい点も、あるんですが(苦笑)

一旦ふられた相手を、実力行使でモノにしようとするのは、犯罪ですよネロ君。

彼のオカルトチックな(^^;)ストーカー的行為は、
いかにネロが超絶ビューティフルな、天使のような美少年であろうと!
洗練された知性と、柔らかな物腰に身を包んだ、天才芸術家であろうと!
それらの長所(?)には全く関係なく
大多数の女性読者は「生理的な嫌悪感」を抱いたのではないか、と推測されます。

理屈ぬきに、身の毛がよだつほど気持ちわるい行為。
…だと、思うんですね、(特に)女性の立場としては。

さらに女性の場合、男性の場合と違って「犯人に腕力で到底かなわない=命の危険を覚える」あたり、
ストーカー被害に対する恐怖と嫌悪感は、男性の何倍にもなるのではないかと。

ですから、このあっさりした大団円
一抹のやりきれなさを感じている方も多いのではないか、と思うんですよ。

もしも、次に登場することがあれば
ネロ君にはぜひ、前非をきれいさっぱり悔い改めていただいてですね(笑)
どうか、再び粘着的なストーカー行為を働くことがないように、お願いしたいところです。
まあ、あの分だと大丈夫だと思いますが…(^^)

人類の半分は女性なわけですから。
スパジャン(というか、リンかけ)に、さらに女性読者が増えることを併せて願っております。


今後のイタリアは…?


…で、シシリアン ダンディの今後ですが。
ディノとブルータスの話から察するに、首領は当初の予定通りシーザーが継ぐっぽいですね。
お勤めが済むまでは、実質上No.2(と思われる)ディノがまとめていくんじゃないかな…?
ネロ坊はもともとJr.マフィアなんぞに興味ないだろうし、第一あのTバックやタトゥ必須ってのは、おおいに彼の美意識に反するのではないかと思われます(笑)

今後もし、イタリアとリングで対決する事があったとして…
ネロが、再登場するかどうかは微妙な線でしょうね〜。きれいにまとまった感じですから。
なんとなく、シーザーはあのままでは終わらないような気もしますが。
だってまだ麟童、シーザーを一発しか殴ってないよ!
ぜひともブローで思いっきり吹っ飛ばして、きっちりケジメつけなきゃ!(笑)


まあ「絵の魔力」エピソードは、多分これにて終了でしょう(^^)
てか、そうしてほしい気が…
こういうオカルトは出過ぎると、読んでる側としてはちょ〜っと気持ちが冷めちゃうので
(特に「科学派」のドイツチームとのギャップというか、バランスがね…)
出してもほどほどにしてほしい気がいたします…。
あるいは、いっそドイツに「魔力」を「科学的に解明」してもらうとかね!
逆に「ドイツの科学力をもってしても解明不可能」とかでも、ある意味リアルっぽくて面白いかもしんないけど
(というのも、実際「科学で解明できない」のが、オカルト現象なわけですから)。
どちらにせよ、何らかの(漫画的に)納得いく説明が、もうちょい欲しかったな〜と思いました。(^^;)

イタリア編も充分面白かったんですが、
(一応)現代の一般社会を舞台にしてる(はず…の)リンかけ2世界の中で、
あの”魔術”だけは、ちょっと唐突で違和感あったんで…
と、もひとつだけ文句(^^;)言って締めておきます。(笑)



ここでも、2回分くらいのロングトークやっちゃいましたね(汗)
もう分けるの面倒だから、このまま上げときます。
ちょっとは削ってまとめろよオイラ…(^^;)

さあ〜次からどんな展開になるのか?
アニメ告知と、巻頭カラーもあわせて、今からワクワクしております!!
('03.08.18 記)


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