響の死について、私見を。



いきなり前書き。


正直、まだあまり考えがまとまってません。
たかが漫画じゃないか…とは言え。
個人的にね。ここ数年、お世話になった人や、親しい人を亡くしてるもんスから。物語とはいえ、「死」というものに平静でいられない部分があったり。
そんな状態で書いた駄文をWebにアップするのも、どうかと思うんスけど。
…なんか寝付けなくてですね…(←寝ろ自分)
まあ、やばそうだったら即刻消去するつもりで、いったん書いてみる事にしますんで。


噂について、私見を。


前書きの駄文書いてる間に、ずいぶん落ち着きました。

よい噂であれ、悪い噂であれ。
「噂は耳に入れないほうがいい」。今、またそれを痛感しています。

噂をほどよく楽しむ、という人や、そういうやり方があるのも知ってますが。
自分はそのタイプじゃないな(汗)
噂が嘘であれ本当であれ、後になって、それに踊らされた自分自身に腹が立つだけですから。

「もうすぐ終わるかも」と某大型掲示板などで言われ続けてたリンかけですが。
今度は本当ですか?
別の雑誌で「星矢」のリバイバルが連載開始するだとか。
…聞かなきゃ(見なきゃ)達観していられたんですけどね。

…全然落ち着いてないやん、自分(苦笑)
いや、本当に何の根拠もない私見なんですが。
今「リングにかけろ2」をやって、車田先生…というか、創作家としての作者が何をやりたかった(過去形かよ/汗)のか。刊行されてるコミックスを読んで、窺い知ることができます。
うまく、言えないんですが。
「リンかけ」の「人間ドラマ」の部分を、現在のやりかたで総力を尽くして描きたかった(だから過去形かよ…)んじゃないかな、と。
無論、車田先生のことですから。
それに加えて、派手な展開やバトルを求める読者の期待にも応えた上で、売れる作品を描くという目標は当然あったでしょうし。
はたして、この2つが両立できるのか!?
こんな(素人のオレが考えても)大変な難事にチャレンジする先生の気概には、尊敬の念を禁じ得ません。
正直、一ファンの枠を超えて…すごい人だな、と(笑)

私は、専門家でも業界人でもないので、具体的な事はわかりません。
けど。
これだけ話題になり、コミックス新刊が平積みで出てたら、ある程度は成功じゃないんですか?
それとも車田大先生なら「ある程度」じゃ失敗なんでしょうか?

熱心な星矢ファンの方には申し訳ないのですが。
…いや、自分も星矢は大好きですよ。風小次も、男坂も、その他の車田作品も。
星矢は無論すぐれた作品ですし、世界に進出してますし、ファンも多く、出せば売れる。
けど、ですね。
「今、星矢の続編をやる」という、創作家としての必要性が見えてこないんですよ。
そうした場合、そこで何を表現したいのか。
申し訳ないですが、オレは一読者として、作者の熱い姿勢が見えてこない作品を、読む気はしません。
個人的な感じ方ですが、「リンかけ2」には、まだその熱い姿勢が窺える気がする。
一部のマニアックなファンの無責任な揶揄はほっときゃいいじゃないスか、と思う。
いや、そういう人だってハラハラしながら発売日を待ってるんスよ。照れてるだけって人もいるでしょうし。
本当にくだらないと思う人が多いなら、2chのリン2スレはとっくに倉庫落ちです(爆)

本当に、単なる噂ならいいんですが。
今度もまた、雑誌の盛り上げっぷりにイヤ〜な予感がするもんスから…。
数ヵ月後に自分でこれ読み返して、「またオレってば噂に踊らされて〜(ーー;)」と自己嫌悪に陥ることを切に祈ってます(苦笑)

そう。こんなこと考えたのも、今回の響がね。


…ということで本題です。


正直に言います。
オレはあの『遺書』見た時点で、ヤバイと思いました。
「これは響、マジで死ぬかも」…と。
やっぱあの時点で助命嘆願のファンレター何通か書いときゃよかった。自筆とワープロ取り混ぜて、人物設定して文体使い分けて…って、冗談ですけどね、もちろん。
ファンレター書いときゃよかった、ってのはホントにちょっと後悔してますが。

けど。
よほどのことがない限り、響の死はもうあの時点で、ほぼ決まってたんじゃないかと思います。
格好よすぎる遺書。一点の曇りもない境地のあらわれた、きれいな表情。
そして、あの大物(でしょう、当然)オスカーと、優勝決定戦を闘うという舞台設定。
これだけ周到に用意された結末を、覆すことはできなかったでしょう。

自分的には…ごく個人的にだけど。こんなに若くして死んでほしくなかった、彼には。
死と隣り合わせに生きてきて、ずっと『いかに生きるか』を考え続けてきただろう、響だからこそ。
その死を乗り越えて、生き長らえてほしかったんですよ。
そうすれば、遅かれ早かれ叔父さんの死に立ち会うことにもなるでしょう。
死ぬはずだった自分が生きてて、身近で大切な人がいなくなってしまう。
そんな理不尽な苦しみを経て、本当の意味で成長していって欲しかった。
そんな苦しみを、先の短い武士叔父さんの方に、味あわせてほしくなかった。

ええ、確かに「物語」的にはいい展開だと思いますよ。
けど…これからどうなるんですかね。
これで近いうちに連載が終わったりしたら、自分は「響は(作品への姿勢よりも、目先の人気取りに走った)作者(と出版社サイド)の(安易かつ無責任な)都合で殺された」と思いますけど…。
いや、いったん噂は忘れよう(ーー;)

麟童たちに、本当の意味で成長していってほしいから。
だから、ここで響に死んでほしくなかった、という思いもあります。
命を燃やして、精一杯生きる素晴らしさ。
「リングにかけろ」の主題は、まさにここにあると思います。
ある意味、響の生き様と死の姿は、その主題に沿ったものでしょう。
今回の話を読んで、やはり感動しました。

けれど、個人的に。
リンかけには、安易に死を賛美する物語にはなってほしくないんですよ…。
今回の響の死に方は美しすぎます。
1のラスト、剣崎と竜児の死はいいんですよ。序盤から引っ張ってたライバルとの決着であり、全世界が注目するタイトルマッチ戦という、人生の頂点でもあり。
ここに至るまでに、彼らがどれほど命を燃やして精一杯生きてきたか、読者も知ってるわけですしね。
響の場合、まだこれからでしょう?
ようやく、長年憧れてた、命を燃やせるものに本当の意味で出会ったばかりなんですよ。

響の生き様は立派です。
しかし、それは本当に、今後の麟童たちの成長に役立つのでしょうか?
果たして、人生の指標のひとつになりえるのでしょうか?
先生の「人間を描く」手腕は(今のところ)信じているのですが…いや信じたいスけど。

物語的に破綻をきたそうが、世界観が揺らごうが、奇跡が起きてほしい…。
完全にファンのエゴなんですが(汗)オレは半分マジでそう思ってます。
…そんな事まずないと思うから、こんな駄文書いてるんスけどね。(^^;)

もしあったら? …そりゃあ両手を挙げてバンバンザイですよ!(←やっぱアホだなオイラ…)


願わくば、響の死が…今後の麟童の成長に活かされることを。

さようなら、そしてありがとう、響。
('02.11.13 記)


★BACK★>>>